12月1日リリースの松任谷由実、通算39枚目のニューアルバム『深海の街』。
世界史に残るような2020年、コロナ禍の今こそ、シンガーソングライターの使命として作品として残し、その思いを楽曲で届けたい、そんな思いで制作された今作。
実は、昨年、アルバム制作をはじめた頃、10枚目のアルバム『SURF & SNOW』の40年振りの続編として、近未来型の“脳内リゾート”をテーマにした『SURF & SNOW VOLUME TWO』を作る構想があったが、そのテーマは新型コロナによって無くなってしまったとの事。
アルバム『SURF & SNOW』はリゾートをテーマにしたアルバムで、収録曲には、それまでクリスマスは家族で過ごすもの、という定義を、恋人と過ごすものに変え、社会現象となった『恋人がサンタクロース』が収録され、今もクリスマスソングの定番として広く愛され続けている。
そんな時代をいつも先取りしてきたユーミンが放つ今作『深海の街』は“愛しか残らない~深い海の底で 僕たちは気づいたんだ”というメッセージで届けられた最新作。ジャケットは、深い海の底でヘルメットに潜水服の男女がキスをしている写真がジャケットになっているが、その構図は、『SURF&SNOW』のアルバムの幸せそうな男女がキスをしている構図と同じに制作されている。
『SURF&SNOW』は1980年の12月1日に発売された。その40年後の2020年の同じ日にオリコンデイリーアルバムランキングにて1位を獲得。“愛しか残らない”このメッセージと共に日本を代表するシンガーソングライターが記したこのアルバムを是非、聴いてほしい。
▼全文
愛しか残らない~
深い海の底で 僕たちは気づいたんだ
あの時、世界が海に沈んでいくのが見えた
ゆっくりと、でも目にみえるような速さで
暫くは息を止めていた
でも苦しくなって息をしてみると
呼吸が出来ることがわかった
進化してくる前の原始生物だった自分を思った
様々なものとの共存の意味がわかった気がした
もうすぐ水は引いていくだろう
あれは夢だった、などと思うのだろうか
いや違う
私にはわかったことがある
愛しか残らない
原始生物としても
人間としても