紗倉まな 文芸誌デビュー『春、死なん』、一般にタブーとされていることからの解放

人気実力ともに死角なしという現役トップセクシー女優、紗倉まな。そんな彼女の存在感をさらに高めているのが、発信する言葉の力だ。

これまでにも2冊の小説を出版している紗倉だが、表題作「春、死なん」は初めての文芸誌掲載作であり、その独特な視点と完成度が文芸・文学界隈でもたちまち大きな話題となった。

「高齢者の性」「母親の性」といった深いテーマを『春、死なん』に詰め込んだ紗倉まなに、執筆エピソードや作品にまつわる思いを尋ねた。



――『春、死なん』では、「高齢者の生と高齢者の性」といった深いテーマを極めて読み進めやすくまとめられている印象ですが、執筆のきっかけなどあったのでしょうか。


紗倉まな

私の属するアダルト業界では定期的にリリースイベントが開催されているのですが、そこにいらしてくださった方たちの存在が、きっかけとなりました。若い方だけではなく、60~80代のいわゆるご高齢の方々の参加も多いのですが、「老人には性欲がない」というようなイメージはあくまで外側から誰かが役割づけたものであり、人間には枯れることのない性への欲望があるのではないかと気がついたんです。また、私自身もこれから歳を重ねていくなかで性に対する意識が変わっていくかもしれない、それを深く考えてみたいと思いました。それから、東京オリンピックの余波でいわゆるエロ本が規制されたことも影響しています。デジタルに詳しい若い方たちは多くの選択肢が残りますが、イベントに来てくださる年配の方々の多くは、コンビニでエロ本を購入する方が多いと聞きました。そのような方たちは、デジタル化が進む中でが今後どのように性欲を処理していくのだろうと単純に疑問に感じていたので、今回のテーマは私にとって非常に身近で親近感のあるものだったんです。



――『ははばなれ』では、触れにくく高い垣根があるようにも思える「母親の性」というテーマも日常とシームレスに扱われていますが、ご自身の体験を元にされたような部分はあるのでしょうか。


紗倉まな

実は物語と同じく私の母も、帝王切開で私を産んでくれているんです。ですから、母のおへその下には、まさに私が小説に書いたような太くて茶色い線が残っています。幼い頃からその蚯蚓腫れのような痕を見る度に、“自分が生まれたから母に負わせてしまった傷”だと思いましたし、同時にある種“自分の象徴”であるとも感じていました。私もひとりの女性として、出産や結婚というテーマから解き放たれることはない。であれば、母、娘、妊娠、出産という女性が直面する人生の岐路に触れる小説を書いてみたいと思いました。



――紗倉さんの文章は導入、物語の始まり部分が完璧だなという印象を受けますが、実際の又は心の師匠的な方はいらっしゃるのでしょうか。


紗倉まな

尊敬している作家さんは数多く、その中でも桜庭一樹さんや森絵都さんの作品が好きです。段は好きな作家さんの作品を何度も繰り返し読むタイプなのですが、執筆中は他の作品から影響を受けることがないよう、読書を控えているので、今すごく本が読みたい気分です!


――「執筆活動」と「えろ屋」稼業は紗倉さんの中で相互に影響しあっているものなのでしょうか。別物として扱われているものなのでしょうか。


紗倉まな

ひとりでもくもくと作り上げる書くという行為と、多くの人の力が集結して行われる撮影という行為は、そもそも異なる性質だと思います。けれど、どこか共鳴し合う部分もある。「執筆」も「えろ屋」も、双方に“自分の気持を込めてから作り込む”という共通点があり、いい形で作用し合っていると感じています。



――少し話題は変わりまして、多方面のご活躍でお忙しい紗倉さんですが、息抜きでハマっていることなどありましたら教えて下さい。


紗倉まな

最近は本棚ラックの組み立てにハマっています。家が本であふれかえっていて、床だけでなく机の上も本で埋まっているんです。ものを書いたり食事をしたりするたびに本を移動させる必要があって、本当に大変。売ったり処分したりできれば整理ができるとはわかっているのですが、どれも強い思い入れがあってそれができなくて……。

最初木製の本棚を買おうとしてシミュレーションしてみたら、スペースを取りすぎて家が圧迫されると気づき、壁と一体化する、600冊も収納できるというラックを選ぶことに。いざ届いてみたらあまりにも大きくて……気が遠くなりました。けれど、「これが出来上がったら私の生活が改善される」と自分を励まし作り始めてみたら意外に楽しくて、いい息抜きになっています(笑)。



――本棚の組み立てだけでも時間がかかりそうですが、完成後に本をどうやって並べるかでも時間がかかりそうですね。


紗倉まな

そうなんです。年内に終わればいいなと思っています(笑)



――また少し話題は変わりまして、本作では「高齢者」が一つのキーワードにもなっています。紗倉さんご自身はどのような「高齢者」生活を迎えたいとおもっていますか?


紗倉まな

実は母と二人でよく「どういう老人になっていきたいか」という理想話をするんです。共通するのは、那須でステンドグラスや陶器を作っているような“創作に時間が割ける”暮らし、穏やかで心に余裕のある暮らしが出来ていたらいいねということ。でもそんな生活には、せわしない生活から離れる寂しさ、働くことから離れることによるコミュニティーロスもセットで訪れる。今まで当たり前だと思っていた、“仕事の充実という幸福”が得られなくなるのも悩ましいところ。というわけで、この話題は毎回結論が出せないまま今も続いています(笑)。



――紗倉さんが出された最近の言葉の中には「女という着ぐるみを脱ぎかけている」というものがあり衝撃を受けましたが、今後向かっていきたい方向性などありましたら教えて下さい。


紗倉まな

褒められた言葉は「嬉しい」で過ぎ去ってしまうのに、ひどい言葉はピタッとシールで貼り付けたように剥がれない。今まで私は「世間の評価」を過度に気にしすぎるところがあって、今もそのことで悩むことは多少はあるのですが、なるたけ気にせず生きようとしています。「女性らしい女性」でい続けることや「男性が好んでくれる女性」であり続けることに少し疲れてきてしまったのかも。だからその着ぐるみを脱いでいきたいなと思いました。

周りに少し悪く言われただけで落ち込んだり、その批判を一語一句覚えたりするような生き方ではなく、今後は、「他者の評価」や「固定観念」に縛られず、「自分がときめいたもの」や「感動したもの」をすくって肉付けしていけるような、自分でありたいです。



――それでは最後の質問になりますが、紗倉さんが今作「春、死なん」に込めた思いやアピールポイントを読者の皆様にお願いします。


紗倉まな

「高齢者の性」や「母親の姓」を題材にしていると聞くとあまり身近に感じられないかもしれませんが、一般にタブーとされていることからの解放を書いた小説でもあります。いま学校やお仕事、家庭内で窮屈だなと感じている方、老若男女問わず手にとって頂けたら嬉しいです。

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